任意売却でよくあるトラブル

任意売却は、住宅ローンの支払いが困難になったことで、不本意ながら行う手続きです。不甲斐なさや情けなさといった感情に苛まれてしまいがちで、そうした不安定な精神状態につけこんでくるのがいわゆる「悪徳業者」の常套手段。そうした手合いに騙されないためにも、任意売却でよくあるトラブル例と、注意すべきポイントについて、あらかじめ知っておいてください。

高額な引っ越し費用の保証

悪徳業者が提示してくる甘言の筆頭に挙げられるのがこの、高額な引っ越し費用です。

任意売却は競売の場合とは異なり、売却益の一部を売却の諸経費や引越し費用に充てることが可能。なので、できるだけ持ち出しを少なすくるために、引越し費用が高いところを任意売却の条件にしがちです。

引っ越し費用はあくまでも金融機関との交渉によって決められるので、事前に幾らと保証できる性質のものではありません。また、金融業者にもよりますが、引越し費用として認められる金額の上限は30万円程度。それこそ50万円、100万円と提示してくるのは、悪徳業者と見てよいでしょう。

引っ越し費用を高く設定する理由

悪徳な不動産業者がこうした甘言を用いるのは、その任意売却物件を扱いたいからに他なりません。そうした手合いでは、後述するようなトラブルが連鎖的に起こる可能性はかなり大きいと言えます。

残債に関する説明があやふや

悪徳業者は「任意売却後、残債はすべてなくなります」といった虚偽の説明で、物件を扱うことを目論んできます。場合によっては残債がなくなるケースはあるでしょうが、「残債が0になると」いう表現は要注意です。

任意売却は競売と異なり、物件の適正価格により近い金額で売却できるのが利点ですが、それでもローン残債をすべて賄える金額で売れる保証はなく、また任意売却したからといって返済義務が免除されるということもありません。

逆に、任意売却後に残債がどれくらい残るのか、どのような返済スケジュールで支払いをするべきかといった提案をしてくれる業者であれば、信頼度は高めと言えるでしょう。

コンサルティング料を請求される

不動産業者を通じて任意売却する場合、不動産業者が受け取れるのは仲介手数料のみで、その上限も宅地建物取引法で定められています。しかし、悪徳業者はそうした法律を無視して、「コンサルティング料」と称して費用を請求してくるとケースが確認されています。仲介手数料以外の費用を請求されるかどうかは、悪徳業者の判断基準のひとつと言えます。

競売になるまで放置される

買い手が見つからないと長期間放置されるケースは、任意売却の期限が迫っているタイミングを狙って安く買い叩く目論見があると考えられます。

「競売になるよりはいい」と業者の提示する価格に合意すると、通常より損失が大きくなるだけでなく、債権者の同意が得られないこともありえます。その結果、任意売却期限に間に合わず競売に書けられてしまうケースもあるのです。

まとめ

悪徳業者は依頼者の弱みに付け込み、甘い言葉で惑わすという手口を使ってきます。「上手い話には裏がある」の格言の通り、そうした手合いに騙されないように、信頼できる不動産業者を選ぶことが大切です。

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